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2015年09月25日(金)更新

7千円超の折り畳み傘「バーブレラ」が百貨店で品切れ!?

秋晴れのシルバーウィークから一転、秋雨がしとしとと降り続いています。今月は本当によく降りますよね・・・。
 
そんななか、とてもよく売れている傘があるという噂を聞きつけたのですが、100円ショップにも傘が並ぶこの時代に、それが7,000円~8,000円もする折り畳み傘だと知って、ちょっと驚きました(@_@)



 
 
「バーブレラ」と名付けられたこの傘は、明治18(1885)年創業の京都の老舗洋傘メーカーであるムーンバットが、昨年(2014年)春に売り出したものです。
 
最大の特徴は、老舗の意地をかけて目指したダントツの“軽さ”と“スリムさ” で、重さはわずか80g、傘袋に畳んで収納した際の直径は約2cm。100gを切る軽量傘が一般的になりつつあるなかでも『超軽量』とうたえる仕上がりです(*^^)v
 
「バーブレラ」とは、「バー(=棒)」と「アンブレラ(=傘)」を組み合わせた造語で、三陽商会のライセンスを受け「マッキントッシュ フィロソフィー」ブランドで展開。販路は百貨店だけと聞いて、またまた驚いてしまいました(@_@)
 
この傘の開発を担当したのは、40年あまり開発の最前線に立ち、社内では「傘の神様」との異名を持つ人物だそうですが、なんでも「ゼロベースから一段飛び越えた軽さとスリム感を実現しよう!」とばかり、2年の歳月をかけて考え抜いたのだそうです。
 
その甲斐あって、開発者本人もびっくりするほどの売れ行きだそうですが、昨年度の販売実績1万1千本を、今年度は半年で軽く抜く勢いで、すでに1万7千本を出荷済み。一時は品切れを起こす百貨店もあり、急いで2万本の追加生産をかけたのだそうです。
 
私の新刊『絶対儲かる「値上げ」のしくみ、教えます』にも書いたのですが、日本企業は「安くて良いもの」を作ろうとガンバリ過ぎ、すっかり弱体化してしまったのではないでしょうか(-_-;)
 
商品は安いから売れるわけではなく、「買いたい理由」があれば、高くてもどんどん売れるのだということを、この傘が証明してくれているようです。
 
最近は天候の変化が激しいので、常に傘を持っていたいというニーズが高まっていること、長い傘は置き忘れる可能性が高いので、あまり高価なものは持ちたくないと考えている人が増えている(折り畳み傘であればほぼ失くさない)ことに加え、思わず人に話したくなるほどインパクトのある軽さであること・・・これだけ「買いたい理由」が揃えば、ヒットして当然かもしれません。
 
もっとも、私だったら、傘の値段帯を3ランクに増やし、松・竹・梅方式で、さらなる売上げアップを図るでしょうが・・・(笑)。
 
秋の夜長、この事例を参考に、自社にももっとできることはないか・・・楽しみながらあれこれ考えを巡らせてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~