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2014年10月31日(金)更新

デジタル時代における「手帳」の存在意義

早いもので、10月も最終日。明日からは、11月の声を聞くわけですが、毎年この時期になると、手帳売場が妙に込み合うものです(*^_^*)
 
といっても、近年はスマホなどのデジタルモバイルでスケジュール管理をする方も増え、手帳の売れ行きはどうなんだろう・・・などと思っていたところに、生活雑貨店の「ロフト」が、今年初めてオリジナルの手帳を開発し、大々的に販売をはじめたようです。
 


 
 
これまでは、「ほぼ日刊イトイ新聞」から誕生した「ほぼ日手帳」などの売れ筋商品を素早く投入するため、コストや時間のかかる自主企画商品の開発には消極的だった同社ですが、なぜ、敢えて、今、なんでしょうか?
 
同社は昨秋、そごう・西武の取締役横浜店長だった内田雅巳氏が代表取締役社長に就任していますが、内田氏は2008年~10年の西武池袋本店構造改善計画で、趣味雑貨やインテリア等の強化を柱とした都市型ライフスタイルセンターづくりに寄与し、現在も好調維持する基礎づくりに貢献した人物。
 
手帳の分野においても、販売で培ったノウハウを生かし、これまでにない切り口で開発した商品で新たなニーズを貪欲に掘り起し、マーケットそのものを開拓する気概を持った戦略を打ち出した、というわけです(*^^)v
 
さて、その「これまでにない切り口」とは・・・「手帳=スケジュール管理ツール」という常識を捨て、思い切り趣味や生活スタイルに特化して『記録(ログ)を書き込む専用の手帳』」を開発したのです。
 
登山、釣り、写真、ゴルフ、仏像、ヨガ、自転車、鉄道、食べ歩き、子育て、ワードローブetc…など30種類を用意し、たとえば「登山」用であれば、撮影した風景や購入した登山靴の写真などを貼り付けてその感想を書き込めたり、歩行距離や天候など「山行」の記録を書き込みやすいようにレイアウトされているようです。
 
つまりこれって、リアルな「ブログ」ですよね(*^^)v  多くの人がブログやSNSを日記代わりに活用している時代ですが、一方では「それってそもそも公開すべき情報?」といった疑問を持つ人もいますし、ネット上に溢れた人様の日記を読むために、自分の大事な時間を使いたくない、と感じている人も少なくないはずです(―_―)!!
 
同社はそんな人たちの奥底に眠る思いを汲み取るかのように、「日記はオフラインで楽しめばいいのでは?」というメッセージを世間に発信している気がして、ちょっと笑ってしまいました。
 
どんなマーケットであろうと、経営者に時代を読み解く力があれば、活路を見い出していけるものです。この事例を参考に、自社にもできることはないか・・・楽しみながら発想を拡げてみてください(@^^)/~~~