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2012年09月28日(金)更新

白洋舎に学ぶ新規事業展開の視点

すっかり秋めいてきましたが、秋の夜長、ふと会社の未来に思いを馳せることもあろうかと思います。時代のスピードは日ごとに加速し、ビジネスモデルの寿命も縮まる一方です。
 
古き良き時代には、ひとつの商売で3代が食べていけたのかもしれませんが、今やどんな業種でも、1社で複数の事業展開を持つことが必須となっています。そんな中、クリーニング最大手である「白洋舎」の新規事業展開に着目してみました(*^^)v




 
同社の今年(2012年)上半期の連結最終損益は、2億6800万円の黒字だったようですが、売上げの増加ペースが鈍っていることに多少の危機感を感じているのか、「法人向けユニフォームレンタル事業」に注力する方針を打ち出したのです。
 
中でも食品関連メーカーへの営業を強化していく戦略で、そのため昨年(2011年)、大規模クリーニング工場では初めて食品安全管理の「ISO22000」を取得。衛生管理基準の高い企業をターゲットに、ユニフォーム事業で年間2億円の増収を見込んでいるのだとか。
 
レンタル用の白衣には、バーコードラベルとICチップを取り付け、部署や氏名はもとより、洗浄や仕分けの方法、入出庫履歴、クリーニング回数まで自動的に記録できるシステムをつくったようですから、相当本気で勝ちに行ってますよね(^_-)-☆
 
近年、食品業界ではとくに衛生に対する意識が高まっていることに加え、レンタルであれば社内でユニフォームを管理する手間もなく、常に全員が清潔な白衣を着用できるわけですから、かなり的を得た戦略のように思えます。
 
さらに同社は、高齢化社会の到来でニーズの高まっているクリーニングの集配事業や提案型営業、マットやモップのレンタル事業、さらにはふとんやカーテンなどを含めたハウスクリーニング&リフォーム事業なども手掛けています。本業が元気なうちに、周辺ビジネスを広げていこうという同社の意気込みが見えますよね。
 
長きに渡って右肩上がりの時代を経験してきた多くの日本企業は、新規事業の立ち上げを不得意とする会社が多いようで、最近私のところにも、その手の相談が多く舞い込むのですが、「白洋舎」の新規事業モデルは、新規事業が本業の支援にもなっているという点で、秀逸だと思います!(^^)!
 
売上げの増加ペースが落ちてきているクリーニング業が、レンタル事業に後押しされる可能性は高いでしょう。この事例を参考に、本業の周辺にビジネスチャンスはないか…あれこれ発想を拡げてみてください(@^^)/~~~