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2012年03月02日(金)更新

プロントだけに「プロン党」!? SNS連動の顧客化戦略

カフェ&バーを展開するプロントコーポレーションが、好調な動きを見せているようです。2011年12月期の全店売上げが、前年比1%増の175億円と、過去最高を更新。大震災の影響をまともに受けたチェーンも多い中、なかなかの健闘ぶりではないでしょうか。
 
健闘の裏側には、緻密な顧客化戦略があるのですが、同社は2003年に、電子マネー「Edy」付の「プロントメンバーズカード」を導入し、昨年までに約4万枚を発行しているようです。
 
 
 
このカードを使って支払うと、カフェタイムとバータイムのドリンクが「10%OFF」になるそうですから、リピーターにはありがたいカードだったわけですが、このカードの機能や特典を残しつつ、同社は新しい会員カードへの移行を計画しているようです。
 
新しい会員組織は「プロン党」と名づけられ、メンバーズカードを提示するとドリンクが増量してもらえたり、会員限定メニューをオーダーできたりと、その都度異なるサービスを提供し、twitterやFacebookなどの交流サイトに「こんなサービスをしてもらえました!」と、投稿してもらおうというしかけです。
 
「プロン党」設立に際しては、マニュフェストもつくる意気込みだとか。「日本のノミニケーションの復活を目指します」などの政策(?)を、販促物に掲載して認知度の向上を図るそうです。プロントだけに「プロン党」・・・若干おやじギャグの香りも漂いますが(笑)、お店と顧客のつながり方として「あり方を共有する」という視点は、逆に今っぽいですよね(*^^)v
 
会員カードといえば、来店の度にポイントが付くとか、割引が受けられるとか、お店側の一方的なサービスが当たり前でしたが、これからの時代は、お客さんがその店の姿勢に共感した上で会員になる⇒会員になったからには“身内”としてその店を応援するという展開が望ましいでしょう。
 
そんな話を事務所でしていたら、うちのスタッフにもプロントファンがいることを発見。なんでも、パスタなども結構美味しいし、女性一人でも入りやすいうえ、夜はバータイムになるので軽く飲みたいときには、ついつい足が向いてしまうのだそうです。
 
ということは、プロントのライバルはカフェばかりでなく、居酒屋さんでもあるわけですが、両者のハザマにあるポジションを上手に活かし、「プロント女子会」プランを提案している点などはさすがです。
 
アフタヌーンパーティプランとして、パスタ1品が選べ、デザート盛り合わせと1ドリンクが付いて、2.5時間1,480円というプランです。主婦層などにこの情報が上手に伝われば、ランチタイムとバータイムの隙間時間の有効活用にもなりますよね。
 
同社の竹村社長は「愚直」と「凡事徹底」をモットーとしていらっしゃるようで、「当たり前のことを人には真似できないくらい一生懸命やる」ことを、常にスタッフにも、フランチャイズ店にも語りかけていると聞きます。
 
また、今年は30店の新規出店を予定しているそうですが、その愚直さにユニークなアイデアが加わることでどんな化学反応を起こすのか・・・「プロン党」の設立とSNS戦略で、今年の業績がどう伸びるのか、しばし注目していきましょう(@^^)/~~~