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2011年08月08日(月)更新

自社商品の本当のユーザーは誰!? 経営者は「リサーチ力」に磨きをかけよう!

最近私がびっくりしていることのひとつは、日本では「正確なリサーチ」なしにビジネスを始める会社があまりにも多いことです。海外の企業と比べても、そこにはリサーチというものに対しての大きな認識の違いが存在します。
 
このあたりのことは、以前、私の主宰する『高収益トップ3%倶楽部』の勉強会でたっぷりお話したので、よかったらこちらの「勉強会ダイジェスト」をお読みいただきたいのですが、どうやらその業界でプロになればなるほど「素人の意見」を聞けなくなってしまうようですね(――;)
 
しかし、時代は大きく変化しています。たとえば、今、公園を一番利用しているのは、どんな人たちだと思いますか?
 



 
 
 
 
 
イメージ的には「そりゃ、子どもたちでしょ!」と答える人が多いと思いますが、試しに近所の公園をよーく観察してみてください。・・・そこには高齢者の姿のほうが多いと思います。
 
国土交通省による休日の利用者数を年齢別にみると、今から45年前の1966年度には5歳以下の幼児が22%、65歳以上の高齢者は6%だったのに対し、07年度には幼児が13%まで減り、代わりに高齢者が14%まで増えているのだそうです。
 
また最近では、公園にこれまでのすべり台やジャングルジムに代わって、「健康遊具」なるものが設置され、それを利用して専門の指導員が運動のしかたをレクチャーする「うんどう教室」という講座が、50~80代の方々を対象にして行われるようにもなっているみたいです。公園は高齢者にとって「無料のスポーツジム」と化しているのです(*^_^*)
 
一方、こんな面白いデータもあります。今、最も食パンを食べているのは「60代の女性」であるという調査結果が出たそうです(@_@;) こちらは、製粉協会と製粉振興会が実施した「小麦食品にかかわる生活者調査」ですが、20代~60代の男女、約34,000人の食生活を調べたものです。
 
食パンを食べる頻度を聞いたところ、首位が60代女性の42%、続いて60代男性の40%。一方、20代の男女では、共に2割の人しか食パンを食べていないことがわかったのです。同協会では、20代に朝食を自宅で食べる人が少ないのが理由かもしれない、と分析していました。
 
この調査結果を聞いて、あなたはどう感じましたか? 公園の利用者は子どもとその母親が中心、食パンを食べているのはほぼ若い人・・・うっかり、こんな感覚を持っていませんでしたか?
 
これがもし、自社商品のユーザーに対しての感覚だったらどうでしょう? もしかしたら、30代の女性向きに開発していた商品が、「かわいいからお友達にプレゼントしたい」という理由から、60代女性に爆発的に売れているかもしれません。
 
今の高齢者層は感性も若いですし、可処分所得も高いですから、ここがメインユーザーになっている業界も少なくないと思います。
 
それはともかく、過去の経験や思い込みだけで仕事をすることは、本当に怖い時代になりました。外資系企業が参入してきて、正確なリサーチの元に、お客さんを根こそぎ持っていってしまうかもしれませんよ(――;)
 
何も、高額の費用を投じてリサーチ会社を使え、という話ではありません。リサーチの第一歩は、「自社の顧客の声を生で聞く」ことから始まります。もう一度初心に戻って、目の前のお客さんの声に耳を傾けてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~