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2009年09月04日(金)更新

経営者は「雇用」をどう考えるべきか

今回は経営者会報ブログに寄せられた、学生さんからの質問に答えてみました。ここのところ世間で話題になっている雇用の問題なので、就職を控えた身としては、いろいろ関心があるのでしょうね。・・・・ということで、雇用に関して、私の思う回答です。


== 質 問 ==

非正規雇用の問題がとても多いですが、社長のみなさんは雇用の重みをどのように考えて、経営されているのですか?


== 回 答 ==

人を雇用するということは非常に責任の伴うことだと思いますが、非正規雇用に関して言うと(非正規雇用という文字に反応してしまうと)正規ではないということで、なにかいけないことのように感じてしまいますが、必要から生まれた雇用の形態と考えるのが正しいと思います。

== 解 説 ==

人を社員として雇用することは非常に重たい責任のあることだと思います。なので雇用に際しては経営者はよくその辺のことをわきまえて採用にあたるべきです。ただ、この雇用に関してはもう一方の視点でいうと雇用される側の問題もあり、お互いの考えや利害が一致して初めて納得のある雇用関係が成り立つと思います。

そういう意味でいうと非正規雇用という雇用形態もそのお互いの利害の一致する形で生まれた雇用の形態で必要に応じて出来た形と理解するべきです。もちろんそれによって良い面もそうでない面もありますが、本来はお互いの必要において発生した形と捉えるべきだと思います。

どういう意味かということを少し解説しますね。雇用は雇用する側とされる側の利害の一致で初めて成り立つと言いましたが、会社であれば社員として採用するからには会社の目的や目標に沿って考え活動してくれることを望んでいて、ある程度長期に渡ってその意志を持った方を採用したいと考えるのが当然です。

なので、社員となったからには、できるかぎり前向きに上司や社長の意向に沿った活動をするのが本来求められた責任です。

また、社員からすると採用されたからには、なるべく長く働けて、安定した生活の基盤が築けるような環境を提供してもらいたいと考えると思いますよね(*^_^*)

この関係は、確かに理想ですが、企業の状況によって、また、働く側の状況によってそういう関係では雇用できないという場合が発生するのもこれはまた現実です。

どういう場合かというと、企業の側でいうと、突然大口の受注が舞い込み仕事が発生したが、どう考えてもこの受注が長く続くわけがないと考えられる場合や、個人でいうと将来何かしたいと思っているので、社員としては働きたくはないが、収入が必要となる場合などです。

実は、本来はこういう場合にアルバイトや派遣といった非正規雇用という関係が成り立つわけですね。

企業側はこういう条件なので安心して人も増やせるし、働く側も正式な社員ではないので規制や取り決めの少ない環境で自由に働けるということですから、非常に有効な雇用形態でもあったのです。

社員になったらなったで責任として果たさないといけない義務は多く、それがイヤだという人もたくさんいるので、派遣は結構歓迎されたしくみでしたよね(*^_^*)

事実、今、問題になっている製造業などは、派遣さんがたくさん働いてくれることで需要の変化に対応できる経営状態を確保してきたという現状もあるわけです。

もちろんこれから社会に出て行く学生さんが目的もなくすぐに派遣社員になるとかというのは反対ですが、社会問題はこうやってちょっと掘り下げて考えるといいと思います。そういう意味でも参考にしていただければうれしいです。

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