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2008年07月18日(金)更新

大人のための「自習室」が急増中!

「スペース」はアイディアしだいで、最大限に価値を発揮してくれるものです。最近あちらこちらで、「スペースを小分けにして時間貸しする」ことで、おもしろいビジネスを展開している会社を見かけるようになりました。

少し前に、私のブログでも取り上げた女性用のパウダールーム「COS-Pa(コスパ)」は、おでかけ前に手ぶらでちょっと寄ることができる着替えや化粧直しのための専用スペースをお手軽価格で提供し、若い女性たちにたいへんウケているようです。

これは、とある美容室の女性オーナーが、「着替えや化粧直しの場として利用されるトイレは、混雑していたり汚れていたりして不便だ」と感じたところから思いついたビジネスですが、その男性版もそのうち現れるだろうな…と思っていたら、案の定、今続々と「有料自習室」が誕生しているようです。

有料自習室

これまで「自習室」といえば、主に受験生が利用するもので、予備校の近くに多く見かけたものですが、それをオフィス街に作ったところ、やり残した仕事をする会社員や資格取得のための勉強をする人たちに重宝がられ、どこもほぼ満席状態が続いているといいます。
東京・茅場町のビル内にある「サクセス・ロード茅場町」では、平日の夜ともなると「私語厳禁」の張り紙のもと、公認会計士などの資格取得を目指す人たちが、黙々と勉強に取り組んでいるそうです。

ここの料金体系は「月額制」になっていて、机の大きさによって1万5800円から1万8900円ほど。朝6時から深夜12時まで開いていて、出勤前や仕事帰りに自由に立ち寄ることができます。

自宅に帰ると、ついついテレビを見てしまったりするものですし、カフェやファミレスでは、その日のタイミングで長居しづらい場合もあります。また、持ち歩くのには重い参考書や辞書などを置いて帰れるのもいいですよね!(^^)!

この手のビジネスは、意外と簡単に真似できますから、今度は反対に女性専用の自習室が登場したりと、続々と誕生しているみたいなんですが、いずれにしても「集客」さえうまくいけば、とても儲かるビジネスモデルであることは、間違いありません。

そもそも、倉庫業がその最たるものですが、大きい倉庫を区切り月々手軽な料金で貸すと、その倉庫をまるまるひとつの企業に貸すよりも、ずっと利益率が上がります。また、契約先の企業が大きくなるにつれ、徐々に貸すスペースも広がりますから、あとは「集客」のための投資をすることなしに、自動的にとても儲かるビジネスが展開され続けることになるのです。

これと同じモデルが「レンタルオフィス」です。起業したての人たちに、大きいフロアーを小分けにして、借りやすい価格のオフィス物件を提供することで、そのスペース自体の商品価値を何倍にもしているわけです。しかも、その企業の成長に合わせて、ずっと不動産のお世話をしていける足がかりになるかもしれません。

「自習室」にそこまでの可能性が見込めるかどうかはわかりませんが、要はターゲットとする人たちに、快適で便利な空間を提供してあげるという基本からズレずに、オリジナルティを発揮していけば、まだまだ発展可能な世界だと思います。

家に帰っても、意外に居る場所がない“お父さん族”を狙うのもアリかもしれませんね(笑)。この事例を参考に、収益体質のいいビジネスを楽しく発想してみてください(@^^)/~~~