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2007年09月21日(金)更新

ライバル誌で“コラボ”企画

最近のニュースのなかでちょっと驚いたのが、大手出版社の「講談社」と「小学館」の青年向けコミック誌で、同じ漫画家の描いたイラストを表紙に採用し、2冊合わせてみると1枚の絵になるというコラボレーション企画を発表したことです。


モーニング IKKI


これは、講談社の隔月刊誌「モーニング2」と、小学館の「IKKI(イッキ)」の企画で、両誌に連載を持つ気鋭の漫画家・西島大介さんが、背景の色調を統一し、それぞれの連載の主人公を登場させて描いたイラストを両方の表紙にしたもので、それらが2枚合わせると1枚の絵になるという、ユニークなしかけです。
いわば「ライバル誌同士がタッグを組む」という、少し前までは考えられなかったことですが、その背景には深刻な「マンガ誌不況」があるようです。出版科学研究所が公表したデータによると、マンガ誌の販売部数は、平成7年の13億4301万部をピークに下降の一途をたどり、昨年には、7億4537万部と激減。老舗雑誌の「月刊少年ジャンプ」(集英社)も、今年7月に休刊となるような状況のようです。

この企画について講談社編集部では、「才能ある漫画家を応援したい気持ちはライバル社でも一緒。これからも社を超えて面白い試みをやっていきたい」と話し、もう一方の小学館編集部も「2誌で表紙を飾ることで、多くの人の目に触れてもらうことが目的です。また、最近は単行本でマンガを読む人が増えたのでマンガ誌に戻ってきて欲しい」と話しています。

たしかに、今の若い世代の「活字ばなれ」に加え、おこづかいのほとんどが携帯代に取られてしまうこともあり、雑誌がなかなか思うように売れないという現実もありますし、世の中の動きに逆行するといっても、いち企業のできることには限界があるのも確かです。

今回の事例を参考に、あなたの会社でも「ライバル」と手を組んで出来る取り組みはないか、また業界全体で出来ることはないか…などと、ぜひ発想を広げてみてください(@^^)/~~~


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