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2007年05月10日(木)更新

“ダムマニア” にみるニッチでディープなマーケット

今、ダムをこよなく愛する「ダムマニア」が急増中だそうです。個人運営のダムホームページも30を超え、ネットを通じてダムに興味を持つ人の輪が広がり、実際に仲間同士でダムを見学するイベントを開催したり、ダムの写真集やDVDまで発売されているそうですから、ちょっと驚きです(@_@;)


ダム


数あるサイトの中でも、会社員の荻原さんが運営する『ダムサイト』は、全国約180ヵ所のダムを網羅し、ランキングなどのデータも充実、1日200~600ほどのアクセスがあると言います。サイトでは、重力式やアーチ式といったダムの形式や、構造上の特色などを図解して解説しているので、国土交通省の幹部からも「われわれのサイトよりもわかりやすい」と太鼓判を押されているのだとか。
また、人気サイト『ダムマニア』を運営する宮島さんは、「ダムマニアにもヒエラルキーがある」と分析しています。

ダムマニアのレベル1は、ダムに行く目的が写真という「撮影派」。鉄道マニアの中でも、写真目的の人を「撮り鉄」と呼ぶそうですが、こちらは「撮りダム」ってわけです。一般的には、風景写真のようなものを想像しますが、本格派のマニアは、水門やバルブといった施設の細部も丹念に撮影するそうです。

レベル2は、他のダムとの違いを比較したりして、「調べて楽しむ学習派」。さらに、レベル3は、ダムを求めて全国行脚する「巡礼派」だそうです。宮島さんは、この巡礼派を集めた見学ツアーを3か月に1回程度開催しているようです。

おもしろいのが、この宮島さんが勤務先の割烹料理店で作ってしまった「ダムカレー」。ご飯を堤体、ルウを水に見立ててカレーを盛り付けたもので、ダムの形式に合わせて、アースダム、重力式ダムなど4種類あるそうですが、メニューには載っていない完全な「裏メニュー」ながら、マニアの間ではけっこう評判になっているみたいです!(^^)!

実際、マニアたちが食べに来ると、スプーンでご飯を崩すときに「ダム決壊!」と掛け声を口にするのがお約束だそうですから、だいぶディープな世界ですね(笑)。

しかしながら、一瞬誰が買うんだろうと思ってしまうダム写真集やDVDも、それぞれ数千程度売れているといいますから、ビッグヒットは狙えないものの、マニアたちは確実なマーケットになりつつあるいうことです。

情報化社会では、ネットを通じ、マニアたちは勝手にコミュニティを増殖させていきます。一般的には少数派の趣味でも、全国規模で集まれば、けっこうな人数になるというもの。ネット社会では、それがいとも簡単に実現するのです。

マニアたちは、自分の趣味に合えば、けっこうな金額を使ってくれるものです。経営者としては、こうした現象に目をむけ、「自社の商品もマニア向けに提供できないか」なんて考えてみると、おもしろいかもしれません(@^^)/~~~