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「富士フィルム」が法人向け写真のデジタル化事業へ

投稿日時:2013/03/29(金) 18:00rss

今年の桜は一気に咲きましたが、ふと気がつけば、年度末(>_<) 来週からは4月のスタートです 

経営者としては新年度の展望が気になるところですが、時代のスピードがますます加速しているこの時代、どんな業界でも、できるだけ本業が元気なうちに、次なる事業展開を考えておく必要があるでしょう。

 

そんな中、大手の「富士フィルム」がついに、写真のデジタル化事業に乗り出しました。近年、写真のDPE市場が縮小に向かっていることは、みなさんもお感じになっているとおりです。

 

 

 

 

考えてみれば、最近写真を現像に出した記憶があるでしょうか? デジカメどころか、携帯やスマホがカメラに取って代わった世の中では、「写真を紙焼きして見る」という行為自体が消滅しつつあると言っても過言ではありません。

 

現に2000年には約6,000億円規模だったDPE市場は、12年には約1,200億円まで縮小しているようですが、プロカメラマンや写真を趣味とする人は別として、今後この流れに歯止めがかかることはないでしょう。あなたがもしこの業界にいたら、次の収益の柱として、どんな手を打つでしょうか? 

 

昨年(2012年)11月には、プラザクリエイトが「おもいで玉手箱」というネーミングで、アルバムのデジタル化事業に本格参入しました。宅配便でアルバムやネガフィルムを送ると写真をそっくりデータ化してくれる、というサービスです。

 

この分野では先行しているカメラのキタムラは、アナログ写真のデータ化だけで月に1万件の受注があるそうですが、同社が運営する画像をクラウド上で保管できる「マイフォトボックス」の利用者は、約11万人もいるようです(@_@

 

たしかに、先の東日本大震災のときも、家族のアルバムは命に次ぐ財産であるといったエピソードがたくさん報道されましたから、危機管理の上からも、「アナログ資産のデジタル化」は、今後ますます大事な事業になっていくと思います。

 

そうした背景があって、富士フィルムもついにデジタル化事業に乗り出したわけですが、個人向けサービスとは別に、法人をターゲットにして、「専用BOXに写真やフィルムを詰められるだけ詰めて宅配便で送る」という方式で、1箱あたり、94,500円という均一料金制を採用したところは、ちょっとおもしろいですよね(*^^)v

 

どこの会社にも、過去の写真はたくさんたまっていて、それなりにスペースを取っていると思いますが、写真のデータ整理といった緊急性のない仕事は、ついつい後回しになってしまうものです。そこに「手間いらずの法人向けデジタルデータ変換サービス」が紹介されれば、年末や年度末などには、それなりの需要を見込めるかもしれません。

 

この事業の行く末はともかく、この話は決して他人事ではありません。DPE市場の事例を参考に、自社の新規事業展開についても、明るく知恵を絞ってみてください(@^^)/~~~

 

 

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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