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7千円超の折り畳み傘「バーブレラ」が百貨店で品切れ!?

投稿日時:2015/09/25(金) 14:48rss

秋晴れのシルバーウィークから一転、秋雨がしとしとと降り続いています。今月は本当によく降りますよね・・・。
 
そんななか、とてもよく売れている傘があるという噂を聞きつけたのですが、100円ショップにも傘が並ぶこの時代に、それが7,000円~8,000円もする折り畳み傘だと知って、ちょっと驚きました(@_@)



 
 
「バーブレラ」と名付けられたこの傘は、明治18(1885)年創業の京都の老舗洋傘メーカーであるムーンバットが、昨年(2014年)春に売り出したものです。
 
最大の特徴は、老舗の意地をかけて目指したダントツの“軽さ”と“スリムさ” で、重さはわずか80g、傘袋に畳んで収納した際の直径は約2cm。100gを切る軽量傘が一般的になりつつあるなかでも『超軽量』とうたえる仕上がりです(*^^)v
 
「バーブレラ」とは、「バー(=棒)」と「アンブレラ(=傘)」を組み合わせた造語で、三陽商会のライセンスを受け「マッキントッシュ フィロソフィー」ブランドで展開。販路は百貨店だけと聞いて、またまた驚いてしまいました(@_@)
 
この傘の開発を担当したのは、40年あまり開発の最前線に立ち、社内では「傘の神様」との異名を持つ人物だそうですが、なんでも「ゼロベースから一段飛び越えた軽さとスリム感を実現しよう!」とばかり、2年の歳月をかけて考え抜いたのだそうです。
 
その甲斐あって、開発者本人もびっくりするほどの売れ行きだそうですが、昨年度の販売実績1万1千本を、今年度は半年で軽く抜く勢いで、すでに1万7千本を出荷済み。一時は品切れを起こす百貨店もあり、急いで2万本の追加生産をかけたのだそうです。
 
私の新刊『絶対儲かる「値上げ」のしくみ、教えます』にも書いたのですが、日本企業は「安くて良いもの」を作ろうとガンバリ過ぎ、すっかり弱体化してしまったのではないでしょうか(-_-;)
 
商品は安いから売れるわけではなく、「買いたい理由」があれば、高くてもどんどん売れるのだということを、この傘が証明してくれているようです。
 
最近は天候の変化が激しいので、常に傘を持っていたいというニーズが高まっていること、長い傘は置き忘れる可能性が高いので、あまり高価なものは持ちたくないと考えている人が増えている(折り畳み傘であればほぼ失くさない)ことに加え、思わず人に話したくなるほどインパクトのある軽さであること・・・これだけ「買いたい理由」が揃えば、ヒットして当然かもしれません。
 
もっとも、私だったら、傘の値段帯を3ランクに増やし、松・竹・梅方式で、さらなる売上げアップを図るでしょうが・・・(笑)。
 
秋の夜長、この事例を参考に、自社にももっとできることはないか・・・楽しみながらあれこれ考えを巡らせてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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