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「プチプチ」に学ぶ自社商品のメディア露出

投稿日時:2010/11/12(金) 14:00rss

毎年年末が近づくと、「今年の10大ニュース」のようなランキングが各メディアから発表されますが、今年間違いなくランクインするだろうニュースのひとつに、「チリの鉱山落盤事故」がありますよね。閉じこめられた作業員33人の感動的な救出劇は、記憶に新しいところだと思います。

そのニュースとともに、メディアに多く取り上げられたのがこの「プチプチ」です。ご存じ「プチプチ」は、緩衝材メーカー最大手「川上産業」の登録商標ですが、「暗い地中生活の気晴らしにしてもらいたい」と、チリ大使館を通じて作業員らにプレゼントされたのです。


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以前はもっぱら緩衝材として使われていた同社の製品を「気晴らしグッズ」として売り出したという話題は、以前、私のブログ「石原明の経営のヒント」でも取り上げたことがありますが、このチリのニュースを見て、「あいかわらず“発想”のいい会社だな」と、ちょっと感心してしまいました(*^_^*)

同社は平成16年の新潟県中越地震の際にも、プチプチを使用した「寝袋」(けっこうあったかいらしいですよ)を被災地に届けていましたが、この会社には「自社の製品と社会をどう結びつけたらいいか」を常に考え続ける、頭の柔らかさがあるように感じます。

海外支援は今回が初めてだそうですが、地下約700メートルの閉ざされた空間に、長期に渡って閉じ込められている作業員のことを考え、「私たちにも何かできることはないか」と考えたのでしょう。自社商品の「宣伝」といえばそれまでですが、自社と社会のつながりを常に意識していなければ、なかなか迅速にこんな行動は取れません。

その業界に長く居すぎると、どうしても発想が凝り固まってしまうものですが、この「プチプチ」のように、自社製品がまったく違う用途で、社会の役に立つケースもあるのです。

ぜひ、経営者はいつも発想を柔らかくして、チャレンジを続けてほしいものです。経営者のちょっとした「思いつき」が、メディアへの露出につながり、一躍有名になる会社も出てくるかもしれませんよ。この事例を参考に、発想を拡げてみてください(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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