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花火でプロポーズ!? 企業から個人へマーケットを拡げる

投稿日時:2009/07/10(金) 14:19rss

今年も花火大会の季節になりましたが、今、「花火でプロポーズ」を切り口に、打ち上げ花火を個人向けに販売している会社があるのをご存じでしょうか?

創業120年の社歴をもつ千葉県の印旛火工株式会社では、ネット事業部を新設し、『花火SHOWドットコム』というサイトで、プロポーズを演出する花火だけでなく、両親の還暦祝いや誕生祝いなど、個人向けの“プチ花火大会”を提案しているのです。


花火


これまで、花火大会といえば、自治体などが企画するものでした。ですから、予算も各自治体から出ているケースが多く、そこに企業が協賛して、ロゴマーク入りのしかけ花火を打ち上げたりしていたものです。
しかし、ご存じのように景気が悪くなると、自治体でも予算がとれなくなったり、企業からも協賛を得られなくなったりしていきます。そうなると、世界に誇れるほどの腕を持った花火職人さんたちの仕事も激減してしまいます(――;)

そこで、同社の社長は、「打ち上げ花火を個人向けに販売できないか」と思い立ったのです。そう思い立って、サイト事業部を立ち上げたわけですが、思い立ったビジネスをすぐに試せるのもネットの利点ですよね。

予算は、 10万円から30万円程度が一番多く、たとえば10万円の予算だと、2.5号玉30発、3号玉20発、4号玉10発程度が打ち上げられます。一般的な花火大会のようなタイミングで上げると2~3分で終わってしまう内容みたいですが、打ち上げのスピードなども相談に乗ってもらえます。

さらに、プロポーズ相手の名前を花火にして打ち上げるなんてサプライズ企画にも、相談に乗ってもらえるみたいです(*^_^*)

同社の指定場所以外での打ち上げについては、申込者が手続きすることが基本ですが、同社に依頼すれば消防署等への申請も代行してもらえるうえ、当日は打ち上げ場所までの送迎もしてもらえます。

今後は、この「プライベート花火大会」をプロが撮影して映像に残す…なんてプランもセットしたら喜ばれると思いますし、やり方によっては、まだまだビジネスとして発展できる可能性があると思います。

ちなみに、うちの女性スタッフに「花火でプロポーズってどう?」と聞いたら、一瞬微妙な空気が流れましたが(笑)、プロポーズはともかく、結婚式や会社の暑気払いのサプライズ企画など、アイディアしだいで花火の活用法はまだまだあるんじゃないかと思います。

だいだい今まで「個人で花火を打ち上げよう」なんて、思いもしませんでしたよね? しかし、「できる」とわかれば、しだいに利用する人たちも増えていくはずです。現に申込件数では、個人客が自治体などの団体客を抜く勢いだそうですよ(*^^)v

もちろん、個人客は売上的にみたら小さいですし、対応に手間もかかります。しかし、これからの中小企業にとっては、「個人」という販路を持っておくこともある意味必要ではないでしょうか。

個人客は、企業ほど景気の影響を受けませんので、不景気時代の下支えになってくれるはずです。そのうえ、インターネットという武器を使えば、中小企業が個人客を相手にすることも十分可能な時代なのです。

この事例を参考に、自社にも活かせるアイディアはないか、ぜひ知恵を絞ってみてください。特に、業界の体質が古く、腕のいい職人さんたちが仕事がなくて困っている…といった業界には、即効性があると思いますよ(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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