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有田焼の器で食べられる即席ラーメン屋

投稿日時:2007/11/09(金) 16:26rss

先日新聞を読んでいたら、おもしろい記事に目がとまりました。「即席ラーメン屋 アキバ繁盛記」という朝日新聞(10月22日)の記事だったのですが、なんとこの店では、有田焼の器でインスタントラーメンが食べられるというのです。


アキバヌードル



「インスタントラーメン専門店? どこかで聞いたな…」ちょっと調べてみたら、以前私のブログにも書いたことがある「インスタントラーメンさくら」の姉妹店のようです。

この店の名前は「Akiba Noodle(アキバ・ヌードル)さくら秋葉原店」。アニメショップや電気店などに囲まれる雑居ビルの中にある10畳ほどの店で、壁には約400種類ほどのインスタントラーメンばかりがずらっと並び、さながら「インスタントラーメン博物館」の様相を呈しています。

メジャーな大手メーカー品ばかりでなく、地方限定のユニークなものもあり、オタクの聖地だけに「ジャケ買い(パッケージだけで判断して買う)」するお客さんも多いのだとか。

好きな商品を選んで調理してもらい、自家製のメンマやチャーシューが入って190~380円。それが高いものだと3万円を超える有田焼の器に入って出てくるわけなんですが、店主曰く「中身が安いので、見た目だけでも豪華な気分を」という粋なはからいのようです。

この店主、実は6年ほど前に「ラーメンブームに乗ろう」と横浜にラーメン店を開いたものの、あえなく失敗(――;)。そこで「普通のラーメンは繊細で難しい。インスタントラーメンなら自分のセンスは関係ない」と方向転換したそうです。

この店のコンセプトは「大人の駄菓子屋」というもので、「昔、部活帰りにカップ麺をすすった感覚で来てほしい」ということだそうです。10席にも満たない小さなお店ながら、土日には200人を超すお客さんが来ることもあるそうなので、なかなかの繁盛ぶりといっていいのではないでしょうか。

また、アキバならではの企画も始まっているようで、アニメのパッケージに包まれた「変身ラーメン」の先行発売が、今月からスタートしています。

こういう話題は、ネットであっと言う間に広がるでしょうから、広告宣伝にお金をかけなくとも、集客に成功できると思います(*^^)v

このように、情報化社会の進化のおかげで、今は「売る」ことが比較的簡単になった時代になったともいえます。しかし、ネット上に氾濫するのは、あくまでも2次情報や3次情報が主体で、本物や価値あるものを探すのが大変になってきたという側面もあります。

こういう時代の中で、企業が進むべき方向は『価値ある1次情報』を発信することだと私は考えているのですが、従来品より一歩突っ込んだ本物の商品やサービスを開発するのもしかり、この事例のように、既存の商品をケタはずれの単位で集め、付加価値を付けるのもしかり…、経営により“オリジナリティ”が求められる時代になったことだけは間違いないようです(@^^)/~~~

ボードメンバープロフィール

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石原 明(いしはら あきら)氏

僖績経営理舎株式会社代表取締役
AZ Collabo株式会社

ヤマハ発動機株式会社を経て、外資系教育会社代理店に入社。約6万人のセールスパーソンの中で、トップクラスの実績を収める。「セールス・マネージャー世界大賞」を受賞後、日本経営教育研究所を設立し、経営コンサルタントとして独立。中小企業から大企業まで、業種や企業の規模を問わず幅広いコンサルティング活動を行っている。毎年の講演回数は100回以上。ビジネスの発想力やマーケティング力を開発・育成する「新経営戦略塾」には1000人が登録し学び、全国延べ4500社が参加。
2万人の読者を抱えるメールマガジン『石原明の「新経営戦略塾」』や、独自の視点で経営を綴るブログ『石原明の経営のヒント』も執筆中。大人気Podcast番組『石原明の経営のヒント+(プラス)』は累計ダウンロード数6000万回を超えている。著書に、累計30万部を超え『営業マンは断ることを覚えなさい』(三笠書房)、『「成功曲線」を描こう。』(大和書房)、『トップ3%の会社だけが知っている儲かるしくみ』(KADOKAWA)などがある。

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